2023年の日本株相場は、脱デフレや企業改革の進展期待を背景に大きく上昇し、日本株は2年連続で世界株を上回るパフォーマンスとなりました。
今後もこうした動きが継続するためには、脱デフレや企業改革の進展が進むかが焦点となります。現在の日本は人手不足が深刻化しており、とりわけ非製造業はバブル期並みの人手不足に陥っています。人手不足感の強まりは、企業が人手確保のために賃上げを進めざるを得ない環境を作り上げているといえ、
賃金上昇を背景とした脱デフレの素地は整いつつあります。
こうしたなか、企業は利益確保のための値上げを継続しやすいとみられ、日本企業の利益率の拡大は今後も継続すると考えられます(図1)。
東京証券取引所による上場企業への改革要請を受け、日本企業の改革は今後も続くとみられます。日本ではインフレが定着しつつあることもあり、企業が余剰資金を投資や研究開発、自社株買いなどに振り向ける動きが加速する展開も想定されます。
脱デフレや企業改革の進展が継続するとの前提に立てば、
日本企業のROE(自己資本利益率)は2024年末に9%程度にまで上昇する可能性もあります。
世界の主要株価指数のROEとPBR(株価純資産倍率)の関係を線形回帰するとROE9%でPBR1.45倍の評価となります。日経平均株価のBPS(1株当たり純資産)は21世紀以降、年率6.4%上昇しています(図2)。24年も同程度BPSが拡大するならば、日経平均株価の2024年のBPSは約27,400円と想定されるため、株価はその1.45倍の39,700円程度まで上昇し、日本株は35年ぶりに史上最高値を更新する可能性もありそうです。
(掲載日:2023年12月20日)
*石黒英之が見る日本株市場は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
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