エンゲージメント事例
当社では「運用における責任投資の基本方針」に基づいた重点テーマを責任投資委員会で決定し、重点テーマに沿って運用調査部門でエンゲージメントを実施しています。これらの活動を統括するエンゲージメント推進室を2021年に設置しました。同室には運用担当者も兼務しており、投資先企業に関するエンゲージメントの要望を伝達するほか、エンゲージメントの状況を把握し投資判断に反映しています。
エンゲージメントの実績
2022年は2,424のテーマについてエンゲージメントを行いました。
マイルストーン管理の対象となっているのは累計で934件、このうち204件については完了に至っています。

- エンゲージメント・ミーティング 延べエンゲージメント・テーマ数(延べ件数)
- 2,424テーマ
- (1,010件、2022年)

- マイルストーン管理の状況
(件数) -
- ■
- 課題を投資先企業に伝える
- 266
- ■
- 企業が課題認識を共有
- 314
- ■
- 企業が課題に対応したプランを策定
- 126
- ■
- 企業がプランを実行
- 24
- ■
- 完了
- 204
重点テーマに沿ったエンゲージメント事例
当社では日本企業の課題を6つに整理しています。これに基づき、責任投資委員会では毎年7月にエンゲージメントの重点テーマを策定しています。2021年7月に策定した重点テーマに沿って事例を紹介します。
- 量的成長・多角化から資本効率性向上へ
- ステークホルダーへの配慮
- 多様性の向上
- 社内の変革
- 経営陣に対する監督機能の強化
- 外部環境の変化に対する適時的な対応

合理的な財務戦略の説明
- 手元資金の活用や株主還元方針等について説明を求める。

事業戦略とサステナビリティの統合
- サステナビリティを統合した事業戦略の説明責任。貢献型製品の売上目標値など。

取締役会の再定義
- 実行性の向上。本格的にモニタリング・ボードへの移行を促す。
(議決権行使基準の改定と合わせて議論)

資本効率性に対するコミットメントの強化
- 資本効率性について、役員報酬を通じて コミットメントを求める。

政策保有株式の縮減
- コーポレートガバナンス・コードに沿った縮減を求める。

気候変動
- ネットゼロに向けたGHG削減目標の設定、SBT認定取得、スコープ3やGHG吸収量の開示などを求める。

人権リスク
- 国内外の社会で求められる人権方針の策定・人権デューディリジェンスの実施を求める。

自然資本
- 生物多様性や水資源など保持への対応。

多様性
- ジェンダーに注目。
中長期的な女性管理職比率の向上など。

マテリアリティとリスク情報の開示
- マテリアリティ(経営の重要課題)の再考。
マテリアリティを踏まえたリスク情報の開示。