[ 石黒英之が見る日本株市場#2 ]

石黒 英之 チーフ・ストラテジスト
証券会社にて、15年にわたり株式ストラテジスト業務に従事。市場見通しレポートの作成に加え、年500回を超える多数のセミナーや勉強会、テレビへの出演など、「顔の見えるストラテジスト」をモットーに活動。自らの投資や営業経験などを活かし、「投資家目線のわかりやすい情報発信」を心掛ける。
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2023年の世界経済から読み解く日本株の今後

POINT 01

2023年は中国が世界経済を支えるか

2023年は、各中央銀行による大幅利上げの累積効果が徐々に顕在化するとみられており、
世界経済の成長率は米欧を中心に2022年と比べ減速する見通しです(図1)。
一方、世界の中で異なる動きが予想されるのが中国です。
中国は2022年12月に、新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ政策」を転換したこともあり、2023年の中国の実質GDP成長率は前年比4.8%増と2022年から伸びが回復する見通しです(同図)。
同国の経済規模は世界の18.4%(21年、世界銀行)を占めていることを考えると、
2023年は中国が世界経済を下支えしそうです。

(図1)各国・地域の実質GDP(国内・域内総生産)成長率

グラフ画像

  • 期間:2022年~2023年、年次
  • ・2022年、2023年はBloomberg予想
  • (出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

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POINT 02

中国経済の回復は日本株にプラス

中国経済が回復すれば、どの国がその恩恵を受けるのでしょうか。
主要国で貿易総額に占める中国向け比率が高いのは、オーストラリア(37.6%)やブラジル(29.1%)、韓国(26.2%)、日本(25.1%、いずれも21年、Bloomberg)となっています。
貿易面からみると、こうした国々が中国経済の回復の恩恵を享受しそうです。

とりわけ世界の中で、
日本が相対的に魅力的な投資対象となりそうです。

日銀による金融政策の修正観測はくすぶるものの、他国と比べ緩和的な金融環境は続くとみられ、2023年の実質GDP成長率は米欧を上回る見込みです(図1)。
業績面でも日米株の12ヵ月先予想EPSが対照的な動きとなるなど、日本株を取り巻く環境は悪くありません(図2)。

今後中国経済の回復が実現すれば、貿易面で中国との結びつきが強い日本企業の業績にプラスに働く可能性もあり、日本株への見直し機運が高まりそうです。

(図2)TOPIX(東証株価指数)とS&P500種株価指数の12ヵ月先予想EPS(1株当たり利益)

グラフ画像

  • 期間:2022年1月7日~2023年1月6日、週次
  • (出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

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(掲載日:2023年1月11日)
*石黒英之が見る日本株市場は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。

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(図1)各国・地域の実質GDP(国内・域内総生産)成長率

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(図2)TOPIX(東証株価指数)とS&P500種株価指数の12ヵ月先予想EPS(1株当たり利益)

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