MARKET REPORT

【石黒英之のMarket Navi】海外勢の日本株投資における4月の季節性とは?

2026年04月01日

ポイント① 海外勢の日本株買いが最も多い4月

中東情勢への警戒が強い中、足元で戦闘終結に向けた観測が浮上し、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぐ可能性が出てきました。これまで市場の重しとなっていた地政学リスクへの警戒が後退すれば、株式市場の下支え要因となりそうです。日本では経済のインフレ転換や企業統治改革の進展といった構造変化が続いており、日本株を見直す動きは今後も続く可能性があります。

その中で注目されるのが、海外投資家の日本株投資における季節性です。01年以降の月別売買動向をみると、4月の平均売買差額は年間で最も大きくなり、4月が売り越しとなったのは20年の1回にとどまります。欧米の12月期決算企業の配当金の流入や、米国の税還付が主な背景とみられ、海外資金が流入しやすいタイミングといえそうです(図1)。

図1 海外投資家の日本株売買差額月別平均
(2001年以降)

海外投資家の日本株売買差額月別平均(2001年以降)

期間:2001年1月~2026年2月、月次
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

ポイント② 地政学リスク和らげば今年も実現?

こうした中、日本のファンダメンタルズが良好なことも支援材料といえそうです。経済のインフレ転換で名目GDPや企業収益は拡大基調を維持しています(図2)。業績拡大は賃上げや設備投資の増加につながり、内需を押し上げる効果が期待されるなど、好循環が定着しつつあります。加えて、今年半ばに予定される金融庁によるコーポレートガバナンス・コード改訂なども支援材料となりそうです。

こうした環境を踏まえると、中東情勢という不確実性が残る中でも、日本株を取り巻く構造的な環境は揺らぎにくいと思われます。地政学リスクへの過度な警戒が後退すれば、投資家のリスク選好が改善し、海外投資家の4月の買い越し傾向が今年も意識されやすくなる展開が期待されます。

図2 日本企業の経常利益4四半期合計と
日本の名目GDP(国内総生産)

日本企業の経常利益4四半期合計と日本の名目GDP(国内総生産)

期間:1984年1-3月期~2025年10-12月期、四半期
・日本企業の経常利益は法人企業統計のデータを用いた
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

*当資料は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。