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前田 有司

グローバル債券

複雑さを極める金融市場に
丹念かつ謙虚に対峙

シニア・インベストメント・オフィサー、債券戦略委員会委員長

前田 有司

前田 有司

シニア・インベストメント・オフィサー
債券戦略委員会委員長:グローバル債券運用の基本となる戦略を決定(金利、為替、スプレッド)

2001年に野村アセットマネジメントに入社し、主に日本経済のリサーチ業務を経験後、国内外の債券戦略の運用を担当。2016年よりHead of Fixed Income UKとして英国拠点の債券運用者・アナリストを統括し、2023年より現職。20年以上の運用調査経験を有する。

担当している運用戦略/代表ファンド

グローバル国債戦略
グローバル債券総合戦略(社債等も含めた債券市場全体を対象とした戦略)

受賞情報

外国債券アクティブ(総合)

  1. R&Iファンド大賞 2023 確定給付年金 外国債券部門

戦略のご紹介

米国債などの主要先進国の高格付け債を中心にグローバルに投資し、市場平均を上回る運用パフォーマンスを目指します。そのために例えば、市場平均よりも米国債や米ドルの組み入れ配分を多め、ドイツ国債やユーロを少なめにするなど、グローバルな債券・為替市場の今後の動向を予想して投資判断を行なっております。個別企業の投資価値を判断するボトムアップアプローチではなく、グローバルなマクロ経済や金融市場環境のトレンドを追究するトップダウンアプローチの運用戦略です。

運用において大切にしていること

しっかり判断してリスクを取ることを大切にしています。グローバルマクロ戦略は経済指標や金融政策など、多くの人が入手可能な情報を手掛かりとしており、いわゆる情報の非対称性が少ない投資と言えます。その分、市場のコンセンサスに同調して特徴のない運用をしてしまいがちです。独自の視点・見解で人と違う意思決定を行ない、間違えた場合は責任を持って修正を行なうことが最も重要と考えています。

運用で苦しいときのモチベーション

入社して間もない頃、当時の経営陣に「顧客資産の運用は利益も損失もすべてお客様に帰属する。だからこそ高い倫理観を持って受託者責任を果たさないといけない」と言われたことをいつも心に留めています。投資判断をするということは時に苦しいときもあります。例えば2020年3月ごろ、ロンドンでグローバル債券運用の責任者としてショートポジション(売り持ち)を推奨していましたが、新型コロナウイルスの影響拡大による金融市場の乱高下で、債券価格が急騰し大きな打撃を受けました。見通しも定まらない難しい局面で、朝晩と連日のようにロンドンや東京のメンバーと激論を戦わせたことを覚えています。きめ細かいポジション変更を繰り返しながら、最終的に運用成績は改善しましたが、その過程で応援し続けてくれた同僚やお客様への感謝は尽きません。現在も夜中に目が覚めては海外の経済指標やマーケット状況を確認する日々なのですが、自分やチームのがんばりが誰かのためになっていると確信できることは、運用者としてモチベーションを保つ最大の原動力となっています。

投資家の皆様へのメッセージ

先進国の国債は流動性が非常に高く、株式や社債のバリュエーションを測る上でも参照される金融市場の根幹となる資産です。SWF(ソブリン・ウエルス・ファンド)や年金基金など機関投資家のポートフォリオの中心を占めることも多く、世界中の投資家にとってもその運用を巧みに行なうことはグローバルな資産運用全体の収益率を改善するために重要だと考えています。世界の経済や金融市場は連動しており、ある地域で観察された経済事象が世界中の資金フローへ影響を与えます。その全てを正確に読み解くことは不可能ですが、丹念かつ謙虚に対峙することで、より良い成果を生み出そうと日々格闘しています。