目論見書・運用報告書の見方

交付目論見書の見方

交付目論見書の見方

交付運用報告書の見方

交付運用報告書の見方

目論見書は、「交付目論見書」と「請求目論見書」があります。
「交付目論見書」は、事前または購入時に販売会社より投資家への交付が義務付けられているもので、投資信託の基本的な情報が記載されています。ご自身の投資方針や資金の性格、リスク許容度などに照らし合わせて必ず確認しましょう。
「請求目論見書」は、「交付目論見書」の内容に追加して、投資信託の沿革や経理状況といった詳しい情報が記載されています。販売会社に請求、もしくは運用会社のホームページで確認できます。
ここでは、「交付目論見書」の主要な項目について、どの部分に注目すればよいかご紹介します。

掲載されている画像はイメージです。表示されている基準価額・純資産総額・チャートは現時点のものではありません。
また、当見本に記載のファンドを勧誘・推奨するものではありません。
他のファンドの目論見書では掲載項目が異なる場合があります。

表紙

表紙には、ファンドの基本情報がまとめられています。

【表紙】 【表紙裏】

1「投資信託説明書(交付目論見書)」

交付目論見書である旨を記載しています。

2使用開始日

有価証券届出書の提出により目論見書の効力が発生し、当目論見書により募集を開始する日。

3投資信託(ファンド)名称および商品分類

有価証券届出書に記載されたファンドの名称。
ファンドが該当する商品分類および属性区分。
分類の詳細は「請求目論見書」に記載されています。
また、商品分類や属性区分の内容は一般社団法人投資信託協会のホームページで閲覧できます。

4「金融商品取引法」上の目論見書

「金融商品取引法第13条の規定に基づく目論見書である。」旨を記載しています。

5委託会社等の情報

委託会社名、金融商品取引業者登録番号、設立年月日、資本金、当該委託会社が運用する投資信託財産の合計純資産総額、ファンドの運用の指図を行なう者である。旨が確認できます。

6受託会社に関する情報

受託会社名およびファンドの財産の保管および管理を行なう者である。旨が記載されています。

7詳細情報の入手方法

詳細な情報の入手方法として、以下の事項が記載されています。
・委託会社のホームページアドレス、電話番号および受付時間等。
・請求目論見書の入手方法および投資信託約款が請求目論見書に掲載されている旨。

※当見本では「請求目論見書の入手方法および投資信託約款が請求目論見書に掲載されている旨」は 、❹「金融商品取引法」上の目論見書部分に記載されております。

ファンドの目的・特色

ファンドがどのような資産に投資するのか、どのような成果を目指しているのかという内容を確認できます。

1ファンドの目的

ファンドの「基本方針」やどのような投資成果を目指しているのか、ファンドの目的とする事項を記載しています。

2ファンドの特色

「ファンドの仕組み」、「運用手法」、「運用プロセス」、「投資制限」、「分配方針」等のファンドの特色となる事項を記載しています。

  • 主要投資対象
    どのような資産で運用するファンドなのか確認できます。
  • 投資方針
    「ファンドの仕組み」、「運用手法」、「運用プロセス」等について文章による説明の他、図表等を使って分かりやすく説明しています。
  • 主な投資制限
    ファンドの投資制限について確認できます。ファンドでは、投資するそれぞれの資産において、あらかじめ投資の割合に上限を設けることがあります。必要以上にリスクが大きくなったり、ファンドの内容が目的から外れてしまわないようにするためです。
  • 分配の方針
    分配の頻度や決算日、またどのように分配金を決定するか記載しています。

投資リスク

基準価額の変動要因となるリスクについて確認できます。

1基準価額の変動要因

基準価額の変動要因について確認できます。
ファンドの組入資産はさまざまな要因によって価格が変動し、それにより基準価額も変動します。投資信託は投資元本が保証されているものではありませんので、ファンドの基準価額がどのような要因で変動するかを理解しておくことが大切です。

2その他の留意点

資金動向や市場動向等によっては、投資方針に沿った運用ができない場合等、ファンドにおいて留意すべきリスクと考えられる事項について記載されています。

3リスクの管理体制

運用会社(委託会社)がどのようなリスク管理体制を敷いているのかが説明されています。

4リスクの定量的比較

ファンドの年間騰落率やファンドと代表的な資産クラスとの騰落率の比較等が掲載されており、一定期間におけるファンドの値動きの傾向を確認できます。

運用実績

過去の運用実績について確認できます。

1基準価額・純資産の推移

運用実績作成基準日から直近10年(運用期間が10年未満のファンドは設定来)の基準価額および純資産総額の推移がグラフで確認できます。基準価額は投資している株式、債券などの価格変動や為替相場の変動の影響、また分配頻度等で変化します。純資産総額は、基準価額の変動とファンドの購入・換金による資金増減の両方の影響で変化します。

2分配の推移

口数単位あたりの課税前の分配金、設定来累計等の金額が確認できます。

3主要な資産の状況

組入資産や通貨の構成比率や、組入上位銘柄の投資比率を記載しています。組入上位銘柄では、投資している各資産の上位10銘柄程度が記載されています。これらを確認することで、どのような資産を保有しているか見ることができファンドの特徴を具体的に捉えることができます。

4年間収益率の推移

分配金を含めたファンドの収益率がどれくらいの成績だったかの推移をグラフで確認できます。

手続・手数料等

手続・手数料等について、細則に定める様式により記載しています。

1お申込みメモ

ファンドの購入・換金の際の、申込方法、手続きが表にまとめられています。
ファンドを購入する場合は、購入する単位を指定して注文を出します。購入単位は、1万円以上1円単位、1万口以上1万口単位など、販売会社によって異なりますので、事前に確認しましょう。また、申込時点では購入代金または購入口数は確定していません。
換金の場合は、換金する口数、または金額を指定して申込みますが、こちらも販売会社によって異なりますので確認しましょう。購入の際と同様、申込み時点では換金代金または換金口数は確定していません。

チェックポイント!

  • 信託期間
    ファンドの運用期間です。無期限のファンドと期間の定めのあるファンドがあります。信託期間は、ファンドの運用状況や資産の状況により延長される場合があります。
  • 繰上償還
    信託財産の減少により運用に支障をきたす場合など、信託期間を繰り上げて償還される場合があります。
  • 信託金の限度額
    ファンドの信託財産の上限が記載されています。上限に達すると追加での購入ができなくなる場合がありますので注意しましょう。

2ファンドの費用

ファンドの費用には、受益者が直接的に負担する費用や間接的に負担する費用があります。
購入時手数料は販売会社によって異なる場合がありますので、事前に確認しましょう。

チェックポイント!

  • 信託財産留保額
    途中換金による有価証券売却などファンドに発生するコストを、換金する際にご負担いただくものです。 詳しくはこちらをご覧ください。

3税金

投資信託の普通分配金や値上がり益には、所得税(復興特別所得税を含む)・地方税がかかります。
源泉徴収時の税率の合計が記載されていますが、NISA・つみたてNISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用した場合、運用益の全額が非課税となります。税金の取り扱いの詳細については、税務専門家等に確認しましょう。

4追加的記載事項

投資者の投資判断に資する補完情報や投資判断にきわめて重要な影響をおよぼす事項である場合等に記載しています。

よくある質問

「交付目論見書」と「請求目論見書」の違いは?
「交付目論見書」は、運用会社が作成し、投資信託の基本的な情報が記載されているものです。投資信託を購入する際、販売会社を通じて投資家に交付されます。「請求目論見書」は投資家が請求した場合に交付することが義務付けられている開示資料です。ファンドの詳細情報としてファンドの沿革や経理状況、運用会社の情報など交付目論見書に記載されていない詳細な情報が記載されています。
表紙に書いてある受託銀行とは?
ファンドの財産の保管および管理を行なう会社のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
投資リスクには主にどのようなものがありますか?
ファンドの投資対象や投資対象地域に応じて、価格変動リスク投資対象の有価証券の価格が変動することにより基準価額に影響をおよぼすリスク金利変動リスク主に債券・リート等に投資を行なう場合、金利の変動に伴い基準価額に影響をおよぼすリスク為替変動リスク外貨建て資産に投資を行なう場合、為替の変動に伴い基準価額に影響をおよぼすリスクカントリーリスク投資対象国の政治、経済、社会情勢等の変化により、金融市場が著しい悪影響や運用上の制約を大きく受けるリスク信用リスク有価証券の発行体において、取引の相手方の倒産等により契約が不履行になったり、利払いや償還金の支払いが滞るリスク流動性リスク投資対象としている資産の市場規模や取引量によって、機動的に売買が行なえなかったり、不利な価格で取引が行なわれるリスクなどがあります。
「お申込みメモ」に記載のある「購入の申込期間」を過ぎたら購入できないのですか?
投資信託は、有価証券届出書を届け出ることで申込期間が更新されます。目論見書においては現時点で届出されている申込期間を表示していますが、有価証券届出書を提出することで申込期間は更新され、目論見書も更新されます。
「お申込みメモ」に記載のある「信託金の限度額」とは何ですか?
投資信託約款で定められている信託金の上限額です。投資信託が適切に運用することができる上限金額として投資対象や運用方法を勘案しファンド毎に定められています。

運用報告書は、原則、運用会社が投資信託の決算ごとに作成し、販売会社を通じて投資信託を保有している受益者に交付される法定資料(投資信託法)です。
ただし、毎月決算型(毎月分配型)など短期間で決算を行なう投資信託の運用報告書の作成・交付のタイミングは、6ヶ月に1度と定められています。
運用報告書は「交付運用報告書」と「運用報告書(全体版)」の2種類があり、「交付運用報告書」では、「運用報告書(全体版)」に記載すべき事項のうち重要なものをグラフや図、平易で簡素な文章を使い掲載しています。
ここでは、「交付運用報告書」の主要な項目について、どの部分に注目すればよいかご紹介します。

掲載されている画像はイメージです。表示されている基準価額・純資産総額・チャートは現時点のものではありません。また、当見本に記載のファンドを勧誘・推奨するものではありません。他のファンドでは掲載項目が異なる場合があります。

表紙

1表紙

作成対象期間中の決算日や決算期を記載しています。
また作成対象期間の直近の決算日における基準価額、純資産総額、期間中の騰落率や分配金の合計が表紙で確認できます。

その他、「運用報告書(全体版)」は受益者の請求により交付される旨や入手方法、委託会社(運用会社)の名称および住所、問い合わせ先の名称、電話番号、受付時間、委託会社(運用会社)のホームページアドレス等が記載されています。

チェックポイント!

交付運用報告書には、運用経過の説明・今後の運用方針・お知らせ・当該ファンドの概要・ファンドのデータ等が記載されており、書面での交付の他、委託会社(運用会社)のホームページでも確認することができます。

運用経過

運用経過には作成対象期間中の

  • 基準価額等の推移
  • 基準価額の主な変動要因
  • 1万口当たりの費用明細
  • (参考情報) 総経費率
  • 最近5年間の基準価額等の推移
  • 当該ファンドの投資環境
  • 当該ファンドのポートフォリオ
  • ベンチマークとの差異
  • 分配金等
  • 親投資信託に係る運用経過や運用状況の推移等

が記載されています。上記のうち、主な項目についてご紹介します。

1基準価額等の推移

グラフでは、基準価額と分配金再投資基準価額が左軸、純資産総額が右軸で表されています。

チェックポイント!

投資信託の運用成績を知るためには、分配金再投資基準価額をチェックしましょう。分配金再投資基準価額は、決算日に分配金を支払わず、税引き前分配金を再投資したと仮定して算出された価額です。

作成対象期間中の基準価額の変動要因について、投資環境等を説明しています。資産のどのような動きが基準価額に影響したのかチェックしてみましょう。

21万口当たりの費用明細

作成対象期間中における1万口当たりの実際の費用を記載しています。費用の内訳や概要等が確認できます。

チェックポイント!

信託報酬(運用管理費用)とは、投資信託の運用・管理の対価として信託財産から日々支払われる費用です。

インデックス運用を行なうファンドは、アクティブ運用を行なうファンドと比較して、相対的に信託報酬(運用管理費用)が抑えられています。

3(参考情報)総経費率

参考情報として、当期中の運用で生じた費用に占める各項目の比率を円グラフで表示しています。
また、ファンド・オブ・ファンズにおいては、総経費率は投資先ファンドの経費率を加えたものを円グラフで表示しています。

投資先ファンドの信託報酬(運用管理費用)以外の費用の比率が把握できない場合は、開示項目名を「経費率(投資先ファンドの信託報酬(運用管理費用)以外の費用を除く。)」とし、「投資先ファンドには信託報酬(運用管理費用)以外の費用がある場合がありますが、上記には含まれておりません。」旨の注記を記載しています。

4最近5年間の基準価額等の推移

基準価額等の推移、分配金再投資ベースの騰落率、ベンチマークとの差異等が記載されており、最近5年間のファンドの状況を確認することができます。

5当ファンドのベンチマークとの差異

ベンチマークとはその投資信託が運用成果の目安としている指標のことをいいます。その指数に対して運用成績がどうだったか、要因等記載されています。
ベンチマークを設定していない投資信託もありますが、例えば国内株式型ファンドなら「日経平均株価(日経225)」や「TOPIX(東証株価指数)」をベンチマークとするファンドが多くあります。
ファンドの運用成績をみる場合には、通常、指数はその市場の平均とみなされることから、このベンチマークと比較するという方法もあります。

6分配金

作成期間中の1万口当たりの分配金と、分配原資の内訳が表で確認できます。
分配金が当期の収益および当期の収益以外から各々どの程度支払われているのか、および、分配対象額のうち、分配されず翌期に繰り越される金額について確認することができます。
分配金は、運用会社(委託会社)が、分配可能原資の範囲内で決算日にファンドの分配方針にしたがって定められています。

チェックポイント!

ファンドの基準価額とベンチマークの騰落率の差異については、信託報酬等の固定的なコストおよび運用における銘柄選択等から生じる要因も含まれます。

今後の運用方針

1今後の運用方針

ファンドの特色・特性や投資環境を踏まえた今後の運用方針や目指す投資成果等が確認できます。

2お知らせ

当期中において、約款の内容や運用体制の変更など、委託会社(運用会社)が重要と判断した内容の変更があった場合は、その記載がありますので、確認しましょう。

ファンドの概要

1ファンドの概要

当ファンドの概要について商品分類・信託期間・運用方針・主要投資対象・運用方法・分配方針が、表になって分かりやすく記載されています。

ファンドのデータ

1ファンドのデータ

当該ファンドの組入資産の内容と純資産等が確認できます。
組入資産の内容では、組入上位ファンド・資産別配分・国別配分・通貨別配分等が、記載されています。純資産等では、各期末の純資産総額と受益権総口数が確認できます。
詳細な内容については、「運用報告書(全体版)」に記載しています。

よくある質問

どのくらいの頻度で送られてくるのですか?
原則として、年1回決算のファンドは年1回の決算後に、年2回以上決算を行なうファンドは半年ごとに交付されます。また販売会社によっては、電子交付の対応も行なっています。
「交付運用報告書」と「運用報告書(全体版)」の違いは?
「交付運用報告書」はファンドの運用状況が簡潔に記載されており、決算時(作成基準時)の受益者全員に交付されます。
「運用報告書(全体版)」にはファンドの状況がより詳しく掲載されています。
「運用報告書(全体版)」が見たい。
運用会社のホームページで閲覧・ダウンロードいただくか、販売会社へお問い合わせください。
「分配原資の内訳」の「当期の収益」「当期の収益以外」とは?
「当期の収益」とは、当期の利子・配当等収入や有価証券の売買益等を表します。また当期の収益からだけでなく、前期からの繰越分配対象額などから上乗せして分配を行なうこともあり、これを「当期の収益以外」として表しています。
「当ファンドのデータ」に保有していないファンドのデータが載っています。
保有いただいているファンドがファミリーファンド形式の場合はマザーファンドのデータが、ファンドオブファンズの場合は、組入上位のファンドのデータが掲載されています。
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