10月4日は投資の日!初心者でも投資の成功率を高める方法とは?
1996年、日本証券業協会は語呂合わせで10(とう)月4(し)日を「証券投資の日」と定めました。1年に1度の「投資の日」に、資産運用について考えてみてはいかがでしょうか。
投資に興味を持っていても、「知識がなければ始められない」と躊躇してしまう方は多いかもしれません。もちろん正しい知識を身につけて資産運用をすることは大切ですが、知識がない初心者の方も投資の成功率を高める方法があります。それは、「長期で投資を続けること」「投資する資産とタイミングを分散すること」です。
まず、「長期で投資を続けること」についてみていきましょう。
以下の表は、「投資の日」が定められた1996年10月末から2023年12月末までの約27年間に、国内債券・国内株式・外国債券・外国株式の4資産に投資をした場合、保有期間別にリターンがどのように変化するのかを示したグラフです。保有期間が長くなるほどグラフの上下幅が小さくなり、プラスになった確率が上がっていたことが分かります。また、過去のデータではありますが、10年間保有した場合は、いつ売買しても全てプラスのリターンとなりました。「投資」と聞くと、つい短期的な売買をイメージしてしまう方もいらっしゃいますが、このグラフから、長期投資をすることでリスク(リターンの振れ幅)をコントロールできることが見て取れます。
シミュレーションの前提:国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の4つの資産を1/4ずつの割合で、各資産の月間リターンを基に毎月リバランス(相場変動などにより変化した投資比率を調整し1/4ずつの割合を維持)を行なったものとして、野村アセットマネジメントが独自に計算したものです。各資産の算出に用いた市場指数については、コラムの末尾をご参照ください。
例えば、2023年12月末の年率のリターンは、2023年12月末までに1年間保有した場合、5年間保有した場合、10年間保有した場合の年率換算したリターンを示しています。
税金・手数料などは考慮しておりません。グラフは過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
(出所)ブルームバーグ等のデータを基に野村アセットマネジメント作成
「下落した資産を衝動的に売却する」など、短期的な視点で投資行動を起こしてしまうと、「長期投資」を実践できず、結果として投資に失敗してしまう可能性が高まるともいえそうです。実は投資は続けることがとても難しいのです。
- 投資家が陥りやすい心理のコントロール方法について解説しています。
-
エピソード5 行動コントロールの技術(その1)
- 関連動画はこちら
次に、「投資する資産とタイミングを分散すること」について考えてみましょう。
たとえば、A社が発行する株式のみに投資をして、A社が倒産してしまった場合、投資額すべてを失うことになります。一方で、もしA社を含めて100社に分けて投資をしていた場合を考えてみましょう。A社が倒産しても、残りの99銘柄が上昇すれば、損失を取り戻せる可能性が出てきます。投資する資産を分散した方が、リスクをコントロールできる可能性が高まるのです。
また、投資するタイミングを分散することも大切です。投資をする時は安い時に買って高く売ることが重要です。もし投資資金全額を一括で投資をした翌日に株式市場が暴落すれば、「昨日買わなければ良かった」と後悔するかもしれません。しかし、投資資金を複数回に分けて投資をすることで、リスクを軽減することが期待できます。
これを実現する具体的な方法が「投資信託で積立投資」を行なうことです。個別の株式を購入するにはまとまった資金が必要であるほか、価格の上下も大きく、ニュースや市場を常に見て管理する必要があります。上述のように複数の資産に投資する場合は、更に管理が大変そうです。しかし、複数の投資家から資金を集めて資産運用のプロが運用する投資信託であれば、1万円程度からプロに管理を任せて複数の資産に分散投資することが可能です。
次に、積立投資について説明します。積立投資とは、一度にまとまったお金を投資するのではなく、一定の金額を定期的にコツコツ積み立てる投資方法です。たとえば、「毎月同じ投資信託を1万円分購入する」といった方法のことです。日々価格が変動する金融資産の買い時を見極めることは困難ですが、定時定額で買い付ける積立投資であれば購入タイミングを判断する必要はなく、価格が上がった時には少ない口数、価格が下がった時には多くの口数を購入することができ、結果として平均購入単価を抑えることが期待できます。詳細は、コラム「少額から始められる!積立投資ってなに?」をご覧ください。
「投資信託」には、日本株式に投資する投資信託や全世界株式に投資する投資信託など、様々な種類があります。上記の方法を試してみたいと思っていても、どの投資信託を選べば良いか迷ってしまい、投資を難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、別の視点で考えてみましょう。
たとえば、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)やワールドカップといったスポーツ大会が開催されると、多くの人が母国の代表チームを応援します。1人1人は微力でも、応援することで一体感が生まれ、選手たちの力になるでしょう。これと同様に、日本を好きな1人1人が日本株式に投資をする投資信託を保有すれば、日本企業が成長して国力が高まり、日本の未来を明るくすることもできるかもしれません。自分の将来に備えるだけでなく、母国の応援もできるのです。他にも、医療やデジタルなどの成長性に期待できる分野を見つけて、その分野で活躍する企業に投資している投資信託を保有することで、ご自身が期待している分野の発展を応援することにもつながります。投資を儲けるためだけの手段として考えると、難しく感じる方も多いかもしれませんが、「応援する」という視点も加えて考えてみれば、投資をシンプルに考えることができるようになるのではないでしょうか。
日本には、投資した商品が値上がりした場合の利益(譲渡益)や分配金等が非課税となる制度として「NISA」があります。この制度を上手に活用しながら、長期で投資信託を活用した積立投資を行なうことで、効率的に運用することが期待できます。NISAの活用方法については、以下の特集ページよりご覧ください。特に、特集ページに掲載中の「【コラム】年代別!NISAを活用したライフプランニング&シミュレーション」では、年代別にNISAのポイントや活用例をご紹介しています。
皆さんも「投資の日」をきっかけに資産運用の一歩を踏み出してみませんか。