インデックスファンドとアクティブファンドの比較

インデックスファンドとアクティブファンドの比較

投資信託は、運用戦略の違いによってインデックスファンドとアクティブファンドに分類されます。このコラムでは、インデックスファンドとアクティブファンドの特徴を5つのポイントで比較しながらご紹介します。

比較① 目指す運用成果

インデックスファンドとアクティブファンドは、目指す運用成果が異なります。

インデックスファンドとアクティブファンドが目指す値動きのイメージ

インデックスファンドとアクティブファンドが目指す値動きのイメージの図

インデックスファンドとアクティブファンド、それぞれに同一のベンチマークが設定されている場合の目指す値動きを表しています。

インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500種株価指数といった指数(インデックス)など、あらかじめ定めた目標(ベンチマーク)に連動する運用成果を目指すファンドです。
一方、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用成果を目指すファンドのことを指します。※1 より高いリターンを追求するため、たとえば株式などを投資対象とする投資信託は、ファンドマネージャーやアナリストが国内外の企業の経営陣やIR担当者を訪問するなど様々な方法で企業調査・分析を行なっています。

※1ベンチマークを定めないアクティブファンドも存在します。

比較② コスト

ファンドマネージャーなどが投資先の調査・分析を行なうアクティブファンドに比べて、インデックスファンドは信託報酬などのコストを低く抑えられる傾向があります。これは、インデックスファンドは指数に基づいたポートフォリオが構築されるためです。

投資信託によって、かかるコストが異なります。
たとえば、投資信託の保有期間中に差し引かれる信託報酬は、投資信託ごとに年率○%などと料率が定められており、それを日割換算した金額が日々ファンドから差引かれます。日々の負担は少額でも、長期で運用すればするほど信託報酬の負担は大きくなるため、商品選択の際には注目したいポイントです。
ただし、手数料を考慮してもインデックスファンドより高いリターンを上げるアクティブファンドも一定数存在するため、より高いリターンを求める方はコスト以外の面でも投資信託を比較したうえで選択する必要があります。

比較③ 値動きの分かりやすさ

インデックスファンドは株価指数などをベンチマークに設定しているため、日々のニュースなどで値動きや情報を追いやすいという特徴もあります。初心者の方も投資対象とする市場の特徴やリスクを把握しやすく、商品選択もアクティブファンドと比較して分かりやすいと感じる方も多そうです。

比較④ 保有資産の機動性

指数に連動するよう運用しているインデックスファンドに比べ、アクティブファンドは機動的に保有資産の内容を変更することができます。
たとえばMSCI ACWIなどで知られるMSCIが算出する指数の構成銘柄の見直しは年4回(2月、5月、8月、11月)と限られており、インデックスファンドは指数に連動するよう銘柄を入れ替えていますが、アクティブファンドであればファンドマネージャーが市場の変動要因に応じて、柔軟かつ即座にポートフォリオを調整できます。そのため、下落局面ではいち早くネガティブな影響を回避する戦略を実施することが可能となります。

比較⑤ 投資戦略の自由度

インデックスファンドは、特定の指数に連動するよう設計されているため、指数が存在しないテーマに沿った投資などは設計できません。一方、アクティブファンドであれば、特定の分野や地域に投資対象を絞るなど、様々な投資戦略を選択することができます。

各アクティブファンドは、様々な投資戦略が設定されています。

アクティブファンドにおける投資戦略の一例

グロース 企業の経営戦略や財務戦略などを分析し長期的な利益成長などが期待できる銘柄(グロース株)を厳選して投資する投資信託です。
バリュー 企業の収益力、資産価値等と、その企業の評価である株価とを比較し、割安と判断される銘柄(バリュー株)を厳選して投資する投資信託です。
テーマ たとえば「テクノロジー」など、経済成長が期待できる業種やテーマに着目し、選択したテーマに沿った銘柄を厳選して投資する投資信託です。
中小型 中長期的に市場平均を上回る成長が期待できる、中小型株(時価総額や流動性などが高い大型株を除いた銘柄)に焦点を当てて投資する投資信託です。
インカム 配当利回りと配当の成長性に着目し、インカムの安定的な確保と成長が期待できる銘柄を厳選して投資する投資信託です。
バランス 株式、債券、REITなど、様々な資産にバランスよく投資を行なう投資信託です。ファンドマネージャーが投資環境の変化に対応して資産配分の変更を行なうなど、ファンド内で機動的にポートフォリオの見直しを行ないます。
絶対収益追求型 市場のパフォーマンスに関わらず収益の追求を目指す投資信託です。

上記は、アクティブファンドの全てを示したものではありません。将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

たとえば、「日経平均株価(日経225)」は、流通株式時価総額100億円以上など一定の基準を満たす企業が上場できるプライム市場から選定された225の日本企業※2で構成されています。仮に日経225をベンチマークとするインデックスファンドに投資した場合、既に規模が大きな企業へ投資しているため、小型株の成長の恩恵を受けることはできません。一方、中小型株を主な投資対象とするアクティブファンドであれば、時価総額が小さくても成長期待のある企業に投資することでハイリスクハイリターンの運用を目指すことができます。

※2 2024年4月末時点。(出所)株式会社日本経済新聞社

インデックスファンドとアクティブファンドの特徴を理解し、ご自身の資産運用に役立ててみてはいかがでしょうか。