ボーナスの使い道、平均支給額は?「なんとなく貯蓄」は勿体ない!?
同世代のボーナスの支給額や使い道など、気になる方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、年代別にボーナスに関するデータをご紹介するほか、ボーナスの効率的な使い方をご提案します。
※1(出所)厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(https://www.mhlw.go.jp/)より、20~24歳のボーナス平均支給額41.8万円と25~29歳のボーナス平均支給額72.1万円から算出した平均値。
ボーナスの年間平均支給額!20代は約57万円※1
一般的に、ボーナスは夏と冬の年2回支給されることが多いようです。以下の表は厚生労働省が調査した、夏と冬に支給されるボーナス平均額です。
夏と冬のボーナス平均額
夏のボーナス | 冬のボーナス |
---|---|
38.9万円 | 39.3万円 |
上記の数字は、四捨五入している場合があります。
(出所)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等」、「毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等」(https://www.mhlw.go.jp/)を基に野村アセットマネジメント作成
年代別に見るボーナスの平均支給額(年間)は以下の通りです。60歳になるまでは年齢と相関して増額していく傾向が見て取れます。
年代別 ボーナスの平均支給額(年間)※2
20~24歳 | 41.8万円 |
---|---|
25~29歳 | 72.1万円 |
30~34歳 | 87.6万円 |
35~39歳 | 101.4万円 |
40~44歳 | 111,8万円 |
45~49歳 | 119.8万円 |
50~54歳 | 131.0万円 |
55~59歳 | 132.2万円 |
60~64歳 | 83.4万円 |
※2年間賞与その他特別給与額
上記の数字は、四捨五入している場合があります。
(出所)厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(https://www.mhlw.go.jp/)を基に野村アセットマネジメント作成
ボーナスの使い道ランキング どの世代も1位は「貯蓄」
ボーナスは、個人のライフスタイルに合わせて、使い方は様々です。年代別にボーナスの使い道ランキング、上位5つをご紹介していきます。
年代別 ボーナスの使い道ランキング
【20代】
1位 | 貯蓄 | 35.5% |
---|---|---|
2位 | 特に決めていない | 19.4% |
2位 | 国内旅行 | 19.4% |
2位 | 理美容関連 (化粧品、ヘアカラー、エステ等) |
19.4% |
5位 | 衣料・履物・ファッション雑貨 | 16.1% |
5位 | 趣味、娯楽サービス (映画鑑賞、観劇、スポーツ観戦等) |
16.1% |
【30代】
1位 | 貯蓄 | 42.4% |
---|---|---|
2位 | ローンの返済 | 14.0% |
3位 | 国内旅行 | 12.7% |
4位 | 特に決めていない | 12.2% |
5位 | 生活家電 (洗濯機、冷蔵庫、エアコン等) |
11.4% |
【40代】
1位 | 貯蓄 | 37.6% |
---|---|---|
2位 | 特に決めていない | 15.0% |
3位 | ローンの返済 | 13.3% |
3位 | 国内旅行 | 13.3% |
5位 | 教育・教育関連 (資格取得、自己啓発等) |
10.7% |
【50代】
1位 | 貯蓄 | 31.4% |
---|---|---|
2位 | ローンの返済 | 15.4% |
3位 | 特に決めていない | 14.4% |
4位 | 国内旅行 | 12.7% |
5位 | 外食 | 11.2% |
【60代】
1位 | 貯蓄 | 11.5% |
---|---|---|
2位 | 特に決めていない | 8.5% |
3位 | 国内旅行 | 7.6% |
4位 | 外食 | 7.3% |
5位 | ローンの返済 | 4.8% |
「ボーナスはなし」という回答を除く上位5位までを掲載。複数回答。
(出所)消費者庁「[参考・6月(確報)]ゴールデンウィークの過ごし方及びボーナスの使途予定に関する意識調査結果 令和元年7月18日(木)」(https://www.caa.go.jp)を基に野村アセットマネジメント作成
20代は衣料品や趣味などにボーナスを充てる傾向が高く、30代以降はローンの返済や外食などに充てる方が増加していく傾向が見て取れます。また、どの世代も共通して「貯蓄」「特に決めていない」という回答がランクインしています。ここから、ボーナスを「とりあえず預貯金に置いている」という方が多いことが推察できます。しかし、日本円で預貯金に全資産を置いている方は、「資産運用を何もしていない」というわけではなく、無意識のうちに「全資産を日本円に投資する」という選択をしているともいえます。資産運用には預貯金も含まれますが、全資産を日本円に投資することが安全だと言い切れるでしょうか。資産運用のリスクをコントロールする方法の1つに、異なる値動きをする資産に分散投資することが挙げられます。日本に住んでいると日本円を中心に考えてしまいますが、世界の基軸通貨は米ドルです。たとえば預貯金の一部を米ドルやインフレに強い資産の1つといわれる外国株式に振り分けることで、日本円だけではない通貨にも分散投資することとなり、リスクをコントロールすることができそうです。
ボーナスを活用した資産運用プラン
「ボーナスで資産運用する」と聞くと、難しく感じるかもしれません。実際、個別銘柄に投資をするためには1つ1つの企業を調査するほか、多額の投資資金が必要となり難易度が高いと感じる方も多いかもしれません。そこで、投資初心者の方向けに、一例として外国株式を投資対象とする投資信託を活用する2パターンのプランをご紹介します。
複数の投資家から資金を集めて、運用の専門家が債券や株式などに投資・運用する金融商品です。投資信託は1万円程度の資金からプロに管理を任せつつ、複数の資産に分散投資をすることが可能です。
【ボーナスを投資信託で運用するプラン】
プラン① 年2回、ボーナスが支給されるたびに一定額を積立投資
プラン② 一定額のボーナスを積立投資の引落し先に設定した口座に振り分け、自動的に毎月積立投資ができるよう仕組化
積立投資とは、一度にまとまったお金を投資するのではなく、一定の金額を定期的にコツコツ積み立てる投資方法です。常に値動きをしている投資信託は、いつ買い時なのか見極めるのが困難ですが、積立投資であれば毎月1回など、価格が変動する商品に一定金額の投資を続けることで、価格が高い時には数量を少なく、価格が安い時には数量を多く購入することが可能です。積立投資の詳細については、コラム「少額から始められる!積立投資ってなに?」をご覧ください。
過去実際のデータを使用したシミュレーションで、このプランの効果を検証します。シミュレーションでは、25歳の方が60歳になるまでの35年間、継続して各プランを実践したと仮定します。具体的な運用プランの条件は以下の通りです。
◯シミュレーション条件
ボーナスの年間支給額:6月と12月の年2回、それぞれ40万円※3ずつ
運用期間:25歳から60歳になるまでの35年間
運用額:ボーナス支給額80万円のうち、年間24万円を投資(累積投資総額840万円)
投資対象:外国株式ファンド※4
※3厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等」、「毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等」(https://www.mhlw.go.jp/)より令和4年夏季賞与の平均支給額38.9万円、令和4年年末賞与の平均支給額39.3万円を参考とし、40万円と仮定。
※4外国株式ファンド:MSCI-KOKUSAI指数(配当込み・円ベース・為替ヘッジなし)
プラン① 年2回、ボーナスが支給されるたびに一定額を積立投資
銀行や証券会社などの金融機関で、年2回のボーナス支給月の月末に12万円分の投資信託を購入。
シミュレーションであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。算出過程で取引コスト等は考慮しておりません。市場指数そのものに投資することはできません。ファンドの運用実績ではありません。
(期間)1989年1月末~2023年12月末
(使用した指数)「外国株式ファンド」 MSCI-KOKUSAI指数 (配当込み・円ベース・為替ヘッジなし)
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
プラン② 一定額のボーナスを積立投資の引落し先に設定した口座に振り分け、自動的に毎月積立投資ができるよう仕組化
銀行や証券会社などの金融機関で毎月2万円の積立投資を申込み。年に1度、積立投資の引落し先に設定した口座にボーナス支給額のうち24万円を振り分ける。
シミュレーションであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。算出過程で取引コスト等は考慮しておりません。市場指数そのものに投資することはできません。ファンドの運用実績ではありません。
(期間)1989年1月末~2023年12月末
(使用した指数)「外国株式ファンド」 MSCI-KOKUSAI指数 (配当込み・円ベース・為替ヘッジなし)
(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成
過去のデータではありますが、いずれのプランも最終積立評価額が累積投資総額を大幅に上回る結果となりました。ボーナスを「とりあえず預貯金に置いている」という方は、いざという時や老後の生活のためにも、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
プラン①のメリットは、ボーナスが支給されるたびに一部を資産運用に回すため、ボーナスの無駄遣いを防ぐことができる点です。一方、プラン②のメリットは、購入の手間を省くことができる点です。契約する金融機関(銀行や証券会社)において、最初に投資信託の商品を選択し、任意の金額で積立投資を申し込めば、それ以降はお金を振り分けるだけで毎月自動的に投資信託が購入されます。
いずれのプランもボーナスを活用して資産運用をしているため、普段の生活を維持しながら資産形成することができそうです。また、今回はプラン①よりもプラン②の方が高い評価額となりましたが、実際は市場環境によって異なるため、必ずしもプラン②の方が良い結果になるとは限りません。ご自身のライフスタイルや性格に合わせて、投資方法を考えていきましょう。
運用期間中にボーナスが下がってしまったら?
ボーナスは毎年同じ水準で支給されるとは限りません。ボーナスは、景気が良い時は上がり、景気が悪い時は下がる傾向にあります。たとえば、コロナショックが起きた2020年は前年比-2.04%、リーマン・ショックの影響が続いていた2009年には前年比-15.6%とボーナスが大きく減額しました。※5 当初の予定が崩れてしまったり、市場が下落したりすると、つい投資をやめたくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、ボーナスの減額により、完全に資産運用をやめてしまうことはおすすめできません。ご紹介したプランはいずれも価格が高い時には少なく購入し安い時には多く購入する「積立投資」という方法をとっており、市場価格が下落した時に購入をやめてしまうと安いタイミングを逃す可能性があるためです。ボーナスが下がり投資に充てるのが難しい場合、積立はストップしても運用を継続する、または積立額を減額しながらも購入を続けることで、安いタイミングで購入することができ、その後価格が回復した時に利益が期待できます。
※5(出所)厚生労働省「令和5年 民間主要企業夏季一時金妥結状況」(https://www.mhlw.go.jp/)
もっと効率的にボーナスを運用する方法とは?
「NISA」という投資した商品が値上がりした場合の利益(譲渡益)や分配金等が非課税となる制度を活用することで、更に効率的に運用することが見込めます。
NISAを活用して、ボーナスを活用した資産運用のシミュレーションを行なう動画をご用意しましたので、ぜひご自身の年代に合った動画をご覧ください。
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