ISM製造業景況感指数

米国

毎月発表

全米供給管理協会(ISM=Institute for Supply Management)によって毎月発表される製造業景況感を示すもので、PMI(購買担当者景気指数)と呼ばれる指標として米国の代表的な指数の1つです。自動車、機械、食品など多岐にわたる製造業分野の企業の景況感が反映されています。指数の算出にあたっては、製造業の仕入れなどを行なう購買担当者へ現状についてのアンケート調査が行なわれ、その回答を基に公表されます。

製造業やサービス業の活動を示す指標であり、購買担当者を対象にした調査を通じて、企業の生産活動、新規受注、在庫状況、雇用状況などを統合的に分析して業況指数を算出します。
上記の米国ISMが発表する指数のほかにも、S&Pグローバルが発表する各国の製造業などのPMIがあります。

指数の構成要素である生産、新規受注、雇用、供給、在庫などの数値を基に総合指数を算出しており、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示唆しているといわれています。ISMは非製造業景況感指数も発表しており、製造業は翌月第1営業日、非製造業は翌月第3営業日に発表されるため、いち早く景気の動向を確認できる指標として注目されています。

(出所)Institute for Supply Management(

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米国のGDPに占める製造業の割合は16%程度※1です。サービスや情報などを提供する非製造業企業がGDPや雇用者数に占める割合が大きいことを踏まえると非製造業景況感指数の動向も重要です。両方の指数を見ることでより経済全体の動向を把握することができるといえるでしょう。
下図の通り、過去においては製造業景況感指数が急落した例として、2000年代初頭のITバブル崩壊時が挙げられます。多くの企業が投資を見直し、IT関連機器やサービスの需要が急激に減少しました。製造業はIT関連企業からの受注や需要に依存している場合が多く、この需給バランスの崩壊により製造業の景況感が悪化した可能性があるといわれています。また、非製造業景況感指数では、2008年のリーマン・ブラザーズ破綻時の例が挙げられます。金融危機が発生し、世界中の金融市場が混乱に陥ったことで、消費者信頼感が低下し、サービス業や小売業に打撃を与え、製造業とともに非製造業景況感指数が急速に低下しました。

※1(出所)NIST「Annual Report on the U.S. Manufacturing Economy: 2023」(

ISM製造業景況感指数とISM非製造業景況感指数の推移(前年同月比)

2000年1月末~2024年6月末、月次

ISM製造業景況感指数とISM非製造業景況感指数の推移(前年同月比) の図

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成