金融政策決定会合

日本

日本銀行が開く「金融政策決定会合」とは、金融政策の運営方針などを決定する会合のことです。日本の政策金利の引き上げや引き下げなどはこの会合を通じて決定します。主に金融市場の調節方針や金融政策手段などが議論され、当面の方針が決定されます。年に8回開催され、通常は各会合とも2日間の日程で会合終了後には直ちに、決定事項の公表と、日銀総裁による記者会見が行なわれます。会合の詳細の議事要旨は、次回の決定会合で承認されて3営業日後に公表されます。

年4回(通常1、4、7、10月)、参加メンバーによって今後の経済や物価の見通しをまとめた「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」が公表されます。日本銀行の見解が含まれた報告書となるので、今後の金融政策の方向性をみていくうえで重要とされています。

(出所)日本銀行(

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過去の金融政策決定会合で、金融市場にどのような影響があったのかをみていきましょう。
2024年4月に発表された金融政策は前回発表と変更はなく現状維持となりましたが、同日に発表された「展望レポート」では、生鮮食品を除く消費者物価指数の見通しについて、2024年度、2025年度をともに引き上げ、日銀総裁は記者会見で、この見通しが実現していけば、金利引き上げなどの金融政策修正の可能性が高まると発言しました。
この決定会合を受け、インフレ見通しの高まりなどから外国為替市場では円安・米ドル高に動き、日本円が34年ぶりの安値水準となりました。

日銀政策委員の大勢見通し(2024年4月発表)

(2023~2026年度)

(前年度比)

実質GDP 消費者物価指数
(除く生鮮食品)
2023年度 +1.3%~
+1.4%
<+1.3%>
+2.8%
前回時点の
見通し
+1.6%~
+1.9%
<+1.8%>
+2.8%~
+2.9%
<+2.8%>
2024年度 +0.7%~
+1.0%
<+0.8%>
+2.6%~
+3.0%
+2.8%
前回時点の
見通し
+1.0%~
+1.2%
<+1.2%>
+2.2%~
+2.5%
<+2.4%>
2025年度 +0.8%~
+1.1%
<+1.0%>
+1.7%~
+2.1%
+1.9%
前回時点の
見通し
+1.0%~
+1.2%
<+1.0%>
+1.6%~
+1.9%
<+1.8%>
2026年度 +0.8%~
+1.0%
<+1.0%>
+1.6%~
+2.0%
+1.9%

・「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。< >内は政策委員見通しの中央値

(出所)日本銀行「経済・物価情勢の展望(展望レポート)2024年4月」を基に野村アセットマネジメント作成

米ドル/円レートの推移

2024年3月29日~2024年4月30日、日次

米ドル/円レートの推移の図

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成