【第3回】NISAや確定拠出年金制度の利用
投資信託に関する意識調査コラム2022
このコラムでは、野村アセットマネジメント資産運用研究所で2022年3月に実施した「投資信託に関する意識調査」のアンケート結果より、投資信託を保有したきっかけや保有していない理由、NISA制度や積立投資の利用状況などについてご紹介します。
既に投資を始めている方の中には、NISA等の税制優遇制度を利用して投資信託を購入している方もいらっしゃると思います。今回のコラムでは、一般NISAとつみたてNISA、個人型確定拠出年金制度(iDeCo)、企業型確定拠出年金制度(企業型DC)の4つの制度に関するアンケート結果をご紹介します。
制度を利用しはじめた人は将来も利用を続けたいと考えている
図1は4つの制度について、現在制度を利用している人としていない人に分けて、今後の利用意向について尋ねたものです。
グラフ中の一番上の「一般NISA」のデータを見ると、現在一般NISAを利用している人のうち、76%が今後も利用し続けたいと回答しています。「つみたてNISA」ではこの割合は86%、「iDeCo」では81%と一般NISAに比較して継続利用の希望者が増えていますが、「企業型DC」では72%と若干減少しています。これは一般NISA、つみたてNISA、iDeCoの3つは制度利用が投資家自らの意思により、利用するかどうかを決めるものであるのに対して、企業型DCは自らの意思ではなく、勤務先の企業がその制度を採用しているか否かによるという仕組みが影響しているかもしれません。いずれにしても、一度制度を利用し始めると、将来にわたって使い続けたいと考えている方が多いといえるでしょう。
次に、現在は制度を利用していない「非利用」の人のデータを見てみましょう。現在は制度を利用しておらず、今後も利用意向がない人はどの制度でも半数程度存在しています。一方で、今後利用したいと考えている人は、特に一般NISA、つみたてNISAで2割程度存在しており、今後も利用者が増える可能性があるといえそうです。
制度利用のハードルは「理解ができていない」
これら4つの制度を利用していない人にその理由を尋ねたところ(図2)、どの制度においても「制度が理解できていないから」が一番多い理由にあげられました。
NISA制度は基本的に国内に住む18歳以上※1の人であれば利用することができ、投資から得られる収益にかかる税金が優遇される制度です。2024年からは、制度の恒久化、非課税期間の無期限化、投資枠の拡大などが実施される予定となっています。また、確定拠出年金制度についても、制度の改正によって、加入可能年齢や受給開始時期の拡大など改善がなされています。iDeCoや企業型DCについては勤務先の制度採用状況や勤務形態によって利用可否、利用条件が異なりますのでご注意ください。
制度に関する情報は随時アップデートされていきますので、様々な情報を収集し、それぞれの制度のメリットやデメリットを確認しましょう。分からないことがあった時は、販売会社などに相談してみるのも1つの方法です。
※1 2023年1月以降20歳以上から18歳以上へ改正
また、制度を利用していない2番目の理由には「資金的な余裕がない」ことがあげられています。つみたてNISA、iDeCo、企業型DCでは少額による積立投資という投資方法を採用していますので、無理のない範囲でこれらの制度を活用した投資をはじめてみてはいかがでしょうか。
(2022年12月時点)