長期投資で高まる複利の効果とは?

長期投資の効果を理解するために、複利について理解していきましょう。資産運用に複利を応用することで運用効率を大きく高める効果が期待できます。

複利とは?

複利とは、元本に利息を組み入れていく金利の計算方法の1つです。投資において、元本(投資の元手となる資金)や前の期間で生じた利益を再投資することで、利益が更に利益を生むという複利の効果を受けることができます。「複利」の対義語は「単利」ですが、単利の場合は最初の元本に対してのみ利子がついていきます。

単利と複利

単利と複利の図

上記はイメージ図であり、すべてを説明しているものではありません。税金、手数料等は考慮していません。

投資信託は、元本の変動により複利の効果を得られない場合もあります。

将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

(作成)野村アセットマネジメント

「複利」の場合は、前年に得た利子を元本に加えて運用するため、運用している期間が長くなるほど、利益が大きくなります
以下のグラフは、元本100万円を4%の利回りで30年間運用した場合で単利と複利を比べた結果です。5年目では約1万円しか差がついていませんが、30年目には約104万円もの差がついており、長期で投資すればするほど複利の効果が大きいことが分かります。

30年間、100万円を4%の利回りで運用した結果

30年間、100万円を4%の利回りで運用した結果の図

シミュレーションであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。算出過程で取引コストなどは考慮しておりません。ファンドの運用実績ではありません。

(作成)野村アセットマネジメント

30年目に、単利の場合は、元本100万円に毎年4%の利子4万円(100万円×4%)が付くため、120万円が利益となりますが、複利の場合は100万円の元本に毎年4%の利子を再投資しながら運用するため、約224万円が利益となりました。

72の法則

複利で運用した時、資産を倍にするために必要な年数「72÷金利(利回り)」で計算することが出来ます。これを「72の法則」と呼びます。例えば、金利が1%の場合は72÷1=72年、金利が4%の場合は72÷4=18年となります。
一方、単利で100万円を4%で運用した場合は資産を倍にするために25年かかります。同じ100万円を4%で運用しているにもかかわらず、複利で運用すれば、単利で運用するよりも7年も早く資産を倍に出来ることが分かります。

また、現在の金利は0.005%であり、複利で運用した場合でも資産を倍にするのに72÷0.005=14,400年かかる計算です。低金利時代では、より高い利回りを見込むことができる金融商品を活用した資産運用について考える必要がありそうです。

2024年3月末時点。(出所)日本銀行

複利を活用する方法

この複利を活用する方法として、投資信託や複利型の定期預金があります。投資信託の場合は、分配金再投資型分配金を出さない方針の商品に投資することで、複利の効果が高まります。このような金融商品に長期的に投資を行ない、複利を活かした資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。