教育資金・投資教育ってどうしてる?(未就学児・小学生/前編)

子供を持つ親の心配事の1つが、「教育資金」ではないでしょうか。未就学児・小学生の子供を持つ野村アセットマネジメントの社員4名に、彼らが実践している教育資金の運用方法について話を聞いてきました。また資産運用会社で働く社員が考える、子供への「投資教育」についてもインタビューしていきます。みなさんと同じように育児に悩み、日々奮闘しているリアルな話から、なにか参考になる情報があるかもしれません。子育てにかかるお金についても、コラム「徹底分析!子育てのお金~世代別 意外にかかること、案外かからないこと~」でインタビュー内容をご覧いただけます。

座談会メンバー

  • Aさん

    4歳・1歳児女の子パパ

    Aさん

    妻が育休中のため、家事も育児も任せがちですが、朝の子供の支度と皿洗いと洗濯物干しは一応やってます

  • Bさん

    小学2年生男の子、2歳児女の子パパ

    Bさん

    産後は育児休業を取得し、大変な時期を乗り越えました。今、家事はできてないけど、子育ては結構頑張ってます!(笑)

  • Cさん

    4歳・1歳児男の子ママ

    Cさん

    家事も育児も基本的に分担していますが、夜は一人で面倒みることが多いので、ちょっと大変です

  • Dさん

    小学3年生女の子ママ

    Dさん

    小学生になってから、保育園と違って、早く帰ってくるようになって…。出社時間の調整や在宅勤務を利用して、働き方を工夫しながら子育てしています。

司会:若手社員(これから子育てをする世代)

投資教育についてご覧になりたい方は、後編をご覧ください。

教育資金・投資教育ってどうしてる?
(未就学児・小学生/後編)

Q1.みなさんはどうやって教育資金を準備していますか?

Dさん(小学3年生女の子ママ)は、
学資保険と投資信託(つみたてNISA)で資産運用中!

Dさん:私は一般的かもしれませんが、最低限の金額は学資保険でまず固めて置いています。教育資金って必ず必要になるから、資産運用にお金を回し過ぎるのって怖いじゃないですか。もしまとまった金額を運用していて、子供が入学する時にリーマンショックのような大きな下落が起こったらどうしようって思っちゃって。学資保険って返戻率はあまり高くないけど、それはそれでやっぱり元本保証という安心感が欲しい資金でもありますよね。
ただ、もしかしたら「海外に行きたい」とか「医学部に行きたい」とか想定よりもっと必要になるかもしれないので、そのために自分の口座で「つみたてNISA」をコツコツとやって、足りない分はなんとかしてあげられたらいいな、という備え方をしています。

返戻率とは、契約者が支払った保険料の総額に対して、将来に受け取る満期保険金などの総額がどのくらいの割合になるかを示すものです。支払った保険料総額に対して、将来に受け取る金額の割合のことを指します。例えば、100万円を支払って110万円受け取れば、110%になります。返戻率が100%を超えると、支払った以上の金額が戻ってくることになり、逆に100%を下回る時に受け取ると、支払った総額よりも少ない金額を受け取ることになります。

Cさん:学資保険ってやっぱり魅力的なんですか?

Dさん:15歳の時に(学資金を)受け取れるとか、18歳の時に受け取れるとか仕組みがきちんとしていますよね。(いつでも引き出せる)自分の預金口座でやっていると何かあった時に引き出しちゃったりしそうな感じがあって。(笑)
ただ、学資保険も利用しつつ、やっぱり将来何があるかわからないから、そういった時のために少しでも増やせる可能性がある「つみたてNISA」で備えたいなって思っています。

Cさん:学資保険も積立ですか?

Dさん:そうです。

Aさん:(学資保険は積立か一括か)選べるんですよね、私も1人目が産まれた時、学資保険に入っていたんですよ。
ただ、最近の商品だと、私が入ったもので元本保証プラスアルファ、18年運用を続けて、返戻率が107%程度っていう状況で。

Dさん:あんまり増えないですよね…

Aさん(4歳・1歳児女の子パパ)は、
米ドル建ての個人年金保険とインデックスファンドで資産運用中!

Aさん:我々の親世代は、返戻率が高かった時のことを知ってるから、「学資保険入らなくていいの?」と結構言ってきたので私は入ることにしました。妻はその時勧められた米ドル建ての個人年金保険に入りました。満期の時に米ドルで受け取れるのが理由で。その後、私が入った学資保険は(円建てで)魅力が少ないと感じたので、2年後に解約しました。
保険だから、親に万が一があった時に保険金が受け取れるのは魅力的ですが、別の生命保険にも入っていたので、大丈夫かなって思いまして…。ちょうどその後にコロナショックでマーケットが下落したタイミングだったので、そのまま解約した資金で、インデックスの投資信託を購入しました。すぐに使う予定のない資金なので、コストの安いインデックスファンドを選び、長期で保有していこうと思ってます。
学資保険は、私たちの親の時代に比べると魅力が薄れている感じはしますね。

Dさん:保険金が魅力で、今でも加入する人も多いみたいですね。でもやっぱり、数十年前と比べると、たくさん増えるという感じはないですが…

Bさん(小学2年生男の子、2歳児女の子パパ)は、
ハイリスク・ハイリターンの投資信託で資産運用中!

Bさん:私の場合は、日本の高校と大学に行ってくれるんだったらなんとかやりくりしたら大丈夫かな~、と思ってます。夫婦の給料から払っていきながら、自分に万が一があった時は生命保険や住宅ローンの団信(団体信用生命保険)っていう保険機能があるので、そこでなんとか賄えるかなと思っていて。でももし、「アメリカの大学に行きたい!」って言われたら、日本の教育機関とは桁が違うお金がかかるので、学資保険でそれを貯めるっていうのは結構難しいですよね。だから私は、子供の口座と自分の口座で、子供の将来の可能性を広げるために、ハイリスク・ハイリターンの投資信託を買っています。

逆にDさんみたいに、元本割れしてる時に突然必要になってしまうかもしれない場合の恐怖感はないですか?

Bさん:「もう私立や海外は難しいかも」って(子供に言うしかない)。(笑)
とは言っても、もしアメリカの大学に行きたいってなった時に、結局米ドルで持っていないとどうしようもないですよね。為替相場は大きく変動することもあるので急に1.5倍円安になってしまったら、一生懸命預金で額面1,000万円貯めていたところで、実際かかる費用は1.5倍になってしまうし。そうするともう悩んでもしょうがないなって。

Cさん(4歳・1歳児男の子ママ)は、
世界株式に投資する投資信託(つみたてNISA)と外貨預金積立で資産運用中!

Cさん:うちも、今はまだ子供が小さいので、子供にかけるお金はなんとか日々の給与から捻出しています。でも、将来の教育資金が心配で、投資信託と外貨預金を積み立てて資産運用しています。投資信託は子供が産まれた時に、少しでも将来の教育資金の足しになればと、つみたてNISAで世界株式のファンドへの投資をはじめました。外貨預金積立に関しては、子供が将来「留学したい」と言い出した時に役に立てばと思いはじめました。
仕事と子育てで手一杯で、バタバタと日々が過ぎていくので、自動引き落としで積み立てられる方法が自分には向いている気がします。最初の手続きさえしてしまえば、あとはゆっくり(お金に)働いてくれ~と待っているだけです。たまに口座明細を見て、順調に積み立てられているのを確認した時、自動引き落としは助かるなって思います。夫婦ともに浪費家なので計画性なく使ってしまいそうで。(笑)

あとはつい最近ですが、子供の名義の証券口座を開きました。これまでにいただいた祖父母や親戚、友人からの出産祝いなどを親が手を付けないように子供名義の預金に分けて置いていました。ただ、すぐに使う予定がないお金をほったらかしじゃもったいないなと思って…。預金に置いていたお金を、少しずつ積立投資に移しはじめたんです。ただ、未成年の口座名義の場合、「ジュニアNISA」がもうすぐ終わってしまうんですよね。だから、課税対象の特定口座で運用をしています。

NISA(少額投資非課税制度)は少額から投資できて、利益が非課税となる制度です。
ジュニアNISAはNISAの種類の1つで、日本に住む未成年者が対象となります。親権者等が代理で運用管理し、新規投資額の上限は年間80万円。非課税期間は最長5年間で、18歳まで払出し制限があります。
※令和2年度税制改正に伴い、2024年以降、ジュニアNISA制度は新規の投資が出来なくなり、払出し制限も撤廃されます。

通常、投資信託などの有価証券の売買で益があった場合に確定申告が必要となりますが、特定口座を開いていると、保管している証券会社などで売買内容を記録し、損益の計算をお客様に代わって行ないます。特定口座で保管し税金を源泉徴収してもらうように選択すれば、原則確定申告は不要となります。
口座名義人ご自身で税金の計算をする場合は一般口座での保管、NISAを使って非課税で運用する場合はNISA口座で保管されます。

Bさん:2023年末でジュニアNISAが終わった後に代わる制度は今のところ発表されてないですもんね。

Aさん:(子供の)本人名義で口座を作っても、つみたてNISAは出来ないですしね。

Cさん:そうなんです。つみたてNISAは成年以上が対象なので、未成年の口座だと選択できないんですよね。ジュニアNISAが終わるまで、ジュニアNISA口座で積み立てることもできますが、ズボラな私は、(ジュニアNISAが)終わる時に、改めて手続きすることを忘れてしまうような気がして特定口座ではじめました。
資金がはっきり分かれて管理しやすいので、今ある預金を移し終わった後も、無理のない範囲で(積立投資を)続けていこうかなと思っています。子供が成人するまでゆっくり積み立てていければいいなと思ってやっています。

例えば、高校などで私立に進んだ場合、多額の学費が必要になると思いますが、具体的にどのようにして用意される予定でしょうか?

Cさん:親名義の「つみたてNISA」などから取り崩していこうって思っています。
子供名義の方はなるべく成人になるまで積み立てていって、「積立投資をしたお金が、今こんな金額になっているね」と長期で資産運用した結果を伝えられればいいなと思っています。

Bさん:投資教育!(笑)

親子リレープランですね。

野村アセットマネジメントが提案する子供が成人した後に「積立投資」を、子供にリレーするというプラン。投資教育がまだまだ盛んではない日本において、資産だけではなく、資産運用の知識も受け継ぐことが期待できるプランです。

全員:

Cさん:自分が親子リレープランの動画(下記)を初めて見た時に、純粋に「やりたいな」と思ってしまいました。こんな考え方があるのかと。ドラマでよく見る、子供が独立する時に親が預金通帳と印鑑を渡す場面みたいに、(私は)子供たちに残高明細書を渡してみたいですね。現金で渡さないということも魅力の1つだなと思っています。