【第4回】毎月の投資金額と商品の配分指定
確定拠出年金に関する意識調査コラム2023
野村アセットマネジメント資産運用研究所では、2022年12月に「確定拠出年金に関する意識調査2023」を実施しました。本調査は20歳~69歳までの8,386人を対象に、確定拠出年金(企業型、個人型)の利用状況などについてご回答いただいています。そのアンケート結果より、第4回は毎月の投資金額と商品の配分指定の状況についてご紹介します。
企業型DC、iDeCoともに毎月の投資額は30,000円以下が9割程度
企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)および個人型確定拠出年金(以下、iDeCo)を利用している方の毎月の投資額を見てみましょう。
どちらも全年齢平均でみると3万円以下の方が9割程度となりました。そのうち、毎月1万円以下(グラフでは「5,000円以下」と「1万円以下」の合計)の回答が企業型DCで63%、iDeCoで44%を占めています。企業型DCにおいては所属企業の拠出金額、DB(確定給付企業年金)制度の採用の有無やマッチング拠出※1の有無によって、iDeCoにおいては個人の属性(加入者区分)によって、投資できる金額に上限はあるものの、制度を活用して少額で投資を行っている方が一定数いることがわかります。
※1 事業主が拠出する掛金に加え、加入者本人が掛金を上乗せして拠出すること
(注) グラフ内の数値は小数点以下四捨五入しているため、内訳の合計が100%にならないことがあります
年代別では、企業型DC、iDeCoいずれにおいても20代がもっとも少なく、年代が高くなるにしたがって投資金額が増えていく傾向がみられます。これは年代別の所得金額や使途自由となる金額の違いによるものと思われます。企業型DCにおいて60代で投資金額が下がっているのは、60歳定年とともに拠出ができなくなる企業などがあることもその理由のひとつにあるでしょう。
現在、制度に加入している方の投資配分先、上位3つは国内株式/米国株式/全世界株式を対象としたインデックスファンド
ここでは、企業型DC、iDeCoの加入者に、現在、投資配分の指定をしている商品を聞きました。
投資している金額ではなく、投資しているか否か?について質問していますので、回答の数値は投資をしている方の割合を指します。
20%(5人に1人以上が投資)を超えたのは次の3つのタイプで、いずれも株式のインデックスファンドです。「国内株式インデックスファンド」が29%、「米国株式インデックスファンド」が23%、「全世界株式インデックスファンド」が22%となりました。投資対象を資産別にみると、インデックスファンドの方がアクティブファンドよりも多くの方が活用している様子がわかります。その後、「預貯金・保険」20%、「バランスファンド」18%と続きます。
年代別に特徴を見てみると、株式ファンド(インデックス、アクティブの両方)においては若年層ほど比率が高めになる傾向があります。逆に、「預貯金・保険」では高齢層ほど比率が高くなっています。
年齢とともにリスク性資産の比率を下げていることが考えられます。
TOTALより5ポイント以上高いセルを赤、TOTALより5ポイント以上低いセルを青で表示
次に、今後の配分指定の意向について見てみましょう。今後配分指定を行いたい商品については「全世界株式インデックスファンド」「米国株式インデックスファンド」に配分したい方が多く、特に20代、30代でその傾向が顕著となりました。これらのファンドへの投資を通じて、長期的に世界の経済成長を捉えることを意識していることが考えられます。一方で、「国内株式インデックスファンド」は、現在配分している資産としては29%と最も比率が高かったのですが、今後配分したい資産としては15%にとどまっています。
「預貯金・保険」は11%となりました。多くの加入者がリスク資産への配分比率を高めたいと考えていることがわかります。確定拠出年金制度がスタートした頃には「預貯金・保険」の残高比率が高いことが問題視されていましたが、制度の浸透とともにリスク資産に配分する方が増えてきたようです。
TOTALより5ポイント以上高いセルを赤、TOTALより5ポイント以上低いセルを青で表示
次は最終回、資産運用に対する理解や期待についてご紹介します。