学生時代から受けたい「金融教育」

金融教育に関する意識調査コラム2023

野村アセットマネジメント資産運用研究所では、2023年3月に「金融教育に関する意識調査2023」を実施しました。本調査では20歳~69歳までの10,664人を対象にアンケートを行っています。その結果より、今回は金融教育の受講時期についてご紹介します。

皆さんがお金のことを自分自身で管理し始めたタイミングはいつ頃だったでしょうか?高校を卒業して親元を離れた時、初任給をもらった時、子どもが生まれた時など、人生の節目がお金について深く考えるきっかけになることが多いのではないでしょうか。

初めて金融教育を受けた時期は「30歳以降」との回答が最も多い

金融教育を受けた経験がある方を対象として、初めて受けた時期を聞いたところ、全体の約7割が卒業後社会人になってからという結果でした。具体的にみると、全体では「30歳以降」が25%と最も多く、次いで「学校卒業後30歳まで」が16%となりました。この年代は、就職し、家族が増える人も多くなり、また、住宅資金や教育資金といった大きな支出が具体化する年代に重なります。社会に出て、実際に大きな支出やその後の人生設計に直面することが「お金のこと」を意識するきっかけとなり、資産形成についてこれまでより詳しく知る必要に迫られた結果、金融教育を受けたというような姿が推察されます。

初めて金融教育を受講した時期(年代別)

初めて金融教育を受講した時期(年代別)の図

約6割が学生のうちに金融教育を受け始めるべきと回答

一方、金融教育を受け始めるべき理想的な時期について聞いたところ、「高校」が21%と最も多く、次いで「中学校」が17%となり、大学卒業までに受け始めるべきだと考える方の割合は6割を超えました。ちなみに世代間ではそれほど大きな差は見られません。

金融教育を受講すべきと考える時期(年代別)

金融教育を受講すべきと考える時期(年代別)の図

さらに、現在投資をしている人(投資者)の約8割は学生時代に金融教育を受け始めるべきと考えていることがわかります。

金融教育を受講すべきと考える時期(投資者別)

金融教育を受講すべきと考える時期(投資者別)の図

前出の結果と合わせて考察すると、金融教育を受けたことのある方の多くは、実際に自分自身が受けた時期よりも、受け始めるべき時期はもっと早い段階であることが望ましいと考えているようです。
あくまで推測ではありますが、「もっと早くに知っていたかった」、「早くに知っていたらもっと早めに行動していた」、「今とは異なる行動をとっていたかもしれない」と感じている方が少なくないのではないでしょうか。
若いうちに金融について学ぶことは、その後の資産形成、人生設計に大きく影響すると考えられます。2022年4月から高校の家庭科で金融教育が扱われるようになったことで、若いうちに学ぶことのできる仕組みの整備は一歩前進したといえるでしょう。