金利と利回りの違いについて、分かりやすく教えてください。
金利とは?
「金利」とは、資金を借りる際に、借り手(債務者)が貸し手(債権者)に支払う利息の割合を指します。たとえば企業が民間の金融機関(以下、銀行等)から融資を受ける場合、返済時には「年率○%」など定められた金利分を上乗せして返す必要があります。これにより、銀行等は融資先の企業から利益を得ることができます。
金利の決まり方を教えてください。
銀行等の金利の決まり方についてご説明します。企業が融資を受ける時は銀行等を利用します。そして、この銀行等に貸付や預金を行なうのが、紙幣の発行を行なう「中央銀行」です。日本の場合は「日本銀行」が中央銀行にあたります。この中央銀行が銀行等へ貸付を行なう時の短期金利を「政策金利」と呼びます。一般的に、銀行等は政策金利より高い貸出金利を設定し、金利収入を得ています。
企業は政策金利が引き上げられると銀行等から融資を受けるコストが上がり、設備投資などの企業活動が滞りやすくなります。中央銀行がこのような利上げを行なうことを金融引き締め政策、利下げを行なうことを金融緩和政策と呼びます。
上記はイメージ図であり、全てを説明しているものではありません。(作成)野村アセットマネジメント
利回りとは?
利回りとは、投資金額に対するリターン(利子・配当・売却損益)の割合のことを指します。利回りは投資のパフォーマンスを評価する重要な指標であり、投資家は異なる投資先の利回りを比較することで、投資判断の材料とすることができます。
たとえば債券の利回りは、政策金利と密接に関連しています。中央銀行が政策金利を引き上げると、一般的に銀行等の貸出金利も上昇し、市場金利もそれに連動します。仮に市場金利が5%の時、クーポン5%の債券があったとします。市場金利が6%に上がり、クーポンが6%の債券が発行されたとすると、償還までの期間が同じであれば、クーポン5%の債券の価格は下落し利回りは上昇します。
このように、政策金利の変動は経済全体に影響を及ぼし、利回りは投資家にとってリターンを測る指標として機能します。