金利と景気の関係を教えてください。

ニュースで聞く「利上げ/利下げ」とは、各国の中央銀行（国内では日本銀行）が景気や物価の調整を目的に行なう政策金利の引き上げ/引き下げのことを指します。一般的に利上げは、インフレや過熱した景気を抑えることを目的とします。利上げによって銀行等の貸出金利が引き上げられ、企業や個人の借入れコストが上昇します。その結果、設備投資や個人消費が減速し、景気の過熱が抑えられます。
一方、景気が低迷すれば利下げにより貸出金利が引き下がり、経済活動の活発化によって、景気回復につながりやすくなります。

上記はイメージ図です。上記の変動要因は一般的なものを示しており、実際に当てはまらない場合もあります。また、上記以外にも様々な理由で変動します。（作成）野村アセットマネジメント

景気拡大局面では、利上げを行なう傾向があります。なぜ敢えて景気を安定させるのか疑問に感じる方も多いかもしれません。しかし、過度な景気拡大はインフレ懸念を高めるなど、注意が必要です。金利の変動は為替や株価など多方面へ影響を及ぼすため、中央銀行は複数の要因を鑑みながら政策金利の決定を行なっています。
下記のグラフは米国の政策金利（FF金利）と消費者物価指数（CPI）を示しています。コロナ禍や国際情勢悪化による原材料価格の高騰や人手不足などを背景に、2021年以降はインフレが加速していたことから、2022年3月から連続利上げが実施されました。

（出所）ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成