2022年度の公的年金額は0.4%減
資産運用研究所レポート『100年人生の歩き方』
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- 公的年金額は21年度に比べ0.4%引下げ、2年連続のマイナス
- 足元で、一部の物価は上昇傾向
公的年金は2年連続で減額
厚生労働省は、2022年度の公的年金支給額を21年度に比べ0.4%引き下げることを発表しました。年金額は賃金や物価の変動率により毎年改定され、2年連続の減額となりました。年金を受給し始める時の年金額(新規裁定年金)は賃金変動率が、受給中の年金額(既裁定年金)は物価変動率が原則用いられます。22年度は賃金変動率-0.4%、物価変動率-0.2%となり、賃金変動率がマイナス、賃金変動率が物価変動率を下回ったため、一律賃金変動率-0.4%が適用となります。また、賃金や物価の伸びより年金支給額を抑える、マクロ経済スライドの発動は昨年度に続き見送られました。今後賃金や物価がある程度上昇すると、見送られたスライド調整率0.3%分が年金額を減少させる可能性があります。
インフレの足音
2021年の消費者物価指数(総合)は前年比0.2%減少していますが、2021年9月以降は月次(前年同月比)でプラスが継続しています。一部海外でもインフレ懸念が取り沙汰される中、既に国内企業物価は大きく上昇しています。物価上昇は私達の生活を圧迫するため、注意が必要です。
資産運用での対応
厚生労働省の国民生活基礎調査(令和元年)によると、高齢者世帯の所得構成では「公的年金・恩給」が63.6%を占めています。また、高齢者世帯における総所得の100%を公的年金・恩給に依存する割合は48.4%であり、高齢者世帯にとって公的年金は重要な収入源です。公的年金の減少・インフレへの対策として、退職後には自身に代わって、お金に働いてもらう「資産運用」も選択肢のひとつといえるでしょう。