確定拠出年金の加入可能年齢が拡大
資産運用研究所レポート『100年人生の歩き方』
- POINT
-
- 2022年5月から、iDeCo(個人型DC)で60歳未満から65歳未満に、企業型DCで65歳未満から70歳未満に加入可能年齢が拡大。
DC加入可能年齢の拡大
2022年5月からiDeCoの加入可能年齢が60歳未満から65歳未満に拡大されました(図1参照)。同時に、企業によって要件は異なりますが、企業型DCも65歳未満から70歳未満に拡大されました。さらに、10月からは企業型DCの加入者がiDeCoに加入する場合、掛金上限等の条件はあるものの、各企業の労使合意が不要となり、iDeCoが利用しやすくなります。6月7日開催の第8回経済財政諮問会議においても、70歳までの就業機会確保の努力義務等を踏まえ、iDeCoの更なる制度改革を検討することが触れられています(「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」)。
利便性向上による私的年金拡大
前回2017年の規制緩和では、企業型DC加入者(規約に定めた場合に限る)と公務員等が属する第2号被保険者に加え、専業主婦等が属する第3号被保険者がiDeCoに加入可能となりました。この変更以後、企業型DC加入者や公務員等を中心にiDeCo加入者数が大きく増加し、2022年3月時点で238.8万人となりました(図2参照)。
投資信託の活用も積極化
iDeCoの運用商品別の資産額を見ると、投資信託の比率が2016年3月の34%から2021年3月の55%へと増加しています(図3参照)。公的年金の縮小や老後資金2,000万円問題※1等への関心が高まり、投資信託を積極的に活用する動きが見られるようです。
※1「老後資金2,000万円問題」は、金融庁の「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 『高齢社会における資産形成・管理』 令和元年6月3日」(https://www.fsa.go.jp/index.html)にて、「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる。」と発表されたことで、老後資金への関心が高まるきっかけとなった問題。