物価上昇の影響は高齢者ほど大きい

資産運用研究所レポート『100年人生の歩き方』

POINT
  • 2022年4月の物価上昇率は前年同月比+2.5%で、昨年9月から上昇傾向
  • 年代によって消費動向は異なり、高齢者ほど物価上昇の影響は大きい

生活を直撃するインフレ懸念

昨今、食料品の値上げや、価格据え置きでも容量を減らす「ステルス値上げ」などが話題となっています。円安の進行やロシアによるウクライナへの侵攻などを背景に、身近な品目の価格上昇が私達の生活に影響を及ぼしつつあります。
物価上昇率総合(前年同月比)は、2021年4月に-1.1%でしたが、2022年4月には+2.5%となりました。2022年4月の物価上昇率のうち大きなものを列挙すると、光熱・水道が+15.7%、食料が+4.0%となりました(図1参照)。

(図1)項目別 物価上昇率(前年同月比)

項目別 物価上昇率(前年同月比)の図

(出所)総務省統計局()「2020年基準消費者物価指数」のデータを基に野村アセットマネジメント作成

高齢者により大きなインパクト

年代別に物価上昇率を構成する各項目の占める割合を見てみると、高齢者ほど、食料、住居、光熱・水道の割合が高い傾向にあることがわかります(図2参照)。年代別の物価上昇率を推計(図2※参照)すると、赤い折れ線グラフが示す通り、60代以降で大きく上昇しています。高齢者ほど物価上昇のインパクトが大きいと考えられます。

(図2)年代別 項目別ウェイトと物価上昇率

年代別 項目別ウェイトと物価上昇率の図

物価上昇率は、2022年4月の項目別物価上昇率(前年同月比)と「世帯主の年齢階級別10大費目指数」2020年基準ウェイトを基に推計

(出所)総務省統計局()「2020年基準消費者物価指数」のデータを基に野村アセットマネジメント作成

インフレ対策としての資産運用

物価上昇率のインパクトは、年代以外にそれぞれのライフスタイルにより異なります。インフレ対策は、物価上昇率総合を基にするのではなく、個々人の消費動向等に合わせた対応が必要です。消費項目ごとに節約することはもちろん大事ですが、加えてインフレに打ち勝つための資産運用の活用も重要となります。