青年後期(大学生等)

徹底分析!子育てのお金
~子供の世代別 意外にかかること、案外かからないこと~

このコラムでは、青年後期(大学生等)に必要なお金のことについて説明します。想定以上にお金が必要なことや、案外かからないことに気づくかもしれません。
大学・専門学校への進学時に必要なお金や生活にかかる費用についてもご紹介していきます。

大学、専門学校に進学する場合にかかる費用は?

令和4年度の大学・短期大学、専門学校への進学率※1は83.8%で、過去最高の進学率(前年度同率)となっています。そのうち大学への進学率は56.6%で、こちらも過去最高を更新しています。また、費用については下表のとおり、国立大学・私立短大への進学と比べて、私立大学へ進学する場合の費用が高いことがわかります。

※1高等専門学校4年在学者を含みます。

(出所)文部科学省「令和4年度学校基本調査」(

大学にかかる費用※2

国立 私立文系 私立理系 私立短大
243万円 408万円 551万円 202万円

※2私立大学・短大は施設設備費を含みます。2年目以降の費用は、初年度の入学料以外がそのまま続くとして4年間、短大が2年間で試算しています。生活費は含みません。

(出所)文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」()を基に野村アセットマネジメント作成

専門学校については、入学金を含む初年度の平均総額が約128万円※3となるそうです。専門学校の場合は専門分野によって金額にばらつきがあり、何年制の専門学校かによっても次年度以降にかかる費用が異なります。

文部科学省のデータによると、大学の在学者数のうち約74%が私立大学に在学しています。お子さんの進路を一緒に考えながら、進学を見据えた資産形成について早めに準備を始めることが重要になりそうです。
お子さんが2人以上いらっしゃる場合は、さらに負担も大きくなります。コラム「Case.2 子供2人を私立大学に通わせるための資金を準備したい。毎月の積立額はいくら必要?」では、毎月の積立額の負担を抑えて資産形成するための準備について、ケーススタディを用いて解説しています。

※3東京都/昼間部の場合。入学金、授業料、実習費、施設費等を含みます。

(出所)文部科学省「令和4年度学校基本調査」()、公益社団法人東京都専修学校各種学校協会 「調査2 令和4年度 学生・生徒納付金調査」

海外に留学する場合にかかる費用は?

お子さんが海外への留学を希望する場合、授業料だけでなく、現地での生活費の負担も大きくなるかもしれません。留学といっても目的は様々です。語学を学びたい、国際的な感覚を身に付けたい、芸術を学びたいなど、お子さんとゆっくり目的を話し合ったうえで、行先や学校などを選んでいくことが大切になるでしょう。
また、海外に留学する場合には、為替の影響によって費用が変動します。時間を味方につけて、外貨や外国の資産を早くから計画的に積み立てて資産運用をすることによって、為替変動リスクを低減させることも期待できます。

アメリカの私立4年制大学に留学する場合の費用(平均)/1学年(9カ月間)

  米ドル (ご参考)日本円※4
授業料 34,740米ドル 4,863,600円
生活費 13,120米ドル 1,836,800円

※41米ドル=140円と仮定して計算しています。

(出所)文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」()を基に野村アセットマネジメント作成

大学生の生活費は?

大学生の生活費については、国立・私立どちらにおいても共通して、自宅から通う場合と学生寮や下宿・アパートなどで生活する場合で大きく異なります。自宅から通う場合には、年間の生活費は40万円弱ですが、学生寮となるとその約2倍、下宿・アパートなどで生活する場合は約3倍の費用がかかります。大学生になるとアルバイトをする人も増えますが、アルバイトの平均収入は35万円ほどで、家庭からの支援が必要になるケースも多いようです。

大学生の生活費

(単位:円)

  自宅 学寮 下宿、アパートなど
国立 私立 国立 私立 国立 私立
食費 80,300 86,700 264,000 230,100 288,400 267,400
住居・光熱費 227,000 315,800 530,400 483,000
保健衛生費 36,600 41,400 36,100 38,100 40,200 43,100
娯楽・嗜好費 113,500 131,100 116,300 116,500 136,900 135,700
その他の日常費 123,800 132,800 153,900 144,100 146,900 162,400
合計 354,200 392,000 797,300 844,600 1,142,800 1,091,600

金額は、大学・昼間部学生の年間費。

(出所)独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」()を基に野村アセットマネジメント作成

18歳から始められるおすすめの資産運用とは?

成人年齢の引き下げによって18歳はもう成年です。預貯金の使い方を含め、お金の管理や資産形成について自分自身で考えていく必要が出てきます。資産運用も自分自身の判断で行なうことができるようになります。動画シリーズ「【小学生にもわかる!】資産運用のレッスン」では、株式や債券、投資信託がどのようなものなのか気軽に学べるので、親子で一緒に見ながら、資産運用について考えてみてはいかがでしょうか。初めて資産運用を始める人には税制面でもメリットがあるNISAがおすすめです。コラム「教育資金・投資教育ってどうしてる?(中・高・大学生/後編)」では、野村アセットマネジメント社員に、大学生のお子さんへの投資教育についてインタビューしていますので、ぜひご覧ください。また、NISAの活用方法に迷ってしまった場合は、動画シリーズ「【動画でチェック!】年代別!新しいNISAを活用したライフプランニング&シミュレーション」で10代のプランも用意してありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

【インタビュー】青年後期(大学生等)に意外にかかったこと・案外かからなかったこと

実際に子育てをしている野村アセットマネジメントの社員に、青年後期(大学生等)に意外にかかったこと・案外かからなかったことをインタビューしました。

意外にかかったこと

子供が海外留学を希望し、長期留学することとなりました。現地の生活費も含めると負担がとても大きいです。
大学生になり、家を出て一人暮らしを始めました。授業料に加えて生活費の仕送りがあるので、早めに準備しておけば良かったと思っています。
大学生になり、目標に向かってやりたいことにかかる金額の単位が大きくなりました。スポーツ留学などを提案された時は金額に驚きました。

案外かからなかったこと

子供が産まれた時に入った学資保険が大学入学のタイミングで満期になり、受け取ることができました。入学金や授業料などまとまったお金に充てることができて助かりました。
子供がアルバイトをするようになったので、娯楽費などは自分のアルバイト代から出してもらっています。
国立大学に通うことになったので、費用負担はだいぶ抑えられました。大学受験時、塾代などの負担が大きかったので、その分出費が少し楽になりました。

18歳を迎えると成年になります。進学する人、就職する人、いろいろな人がいる中で、進学を選んだ場合は、まだまだお金がかかります。特に一人暮らしや海外留学をする場合は、授業料だけではなく、生活費などのまとまったお金が毎月かかることになりそうです。あらゆる可能性を考えて早くから準備を行なうことで、お子さんの夢の後押しができるかもしれません。